これまで
どんな立派な建物(システム)も、人が働かなきゃ動かない。限られた時間の中で、作業に追われ、本来やるべき仕事に全く手がつかない。。。
お、定時だ。
残業できないので帰らなきゃ。

生成AIを入れてみた、いまの話です。ですが、実際は業務量は変わらず、テキストや画像生成が多少捗る程度。肝心な他の業務に充てる時間はなく、AI生成に割かれる時間だけが増えていきます。
その間にも業務は溜まっていき、肝心なウェブサイトの更新や新企画は後回しになってしまいます。生成AIは「会社での導入はなく、使用は個人の判断に任せている」という中小企業が64.9%(商工中金、2026年3月)9。会社の仕事の中にAIが入っていないのは、御社だけではありません。
なぜこんなことが起きるのか
今の環境は、人とAIが一緒に働くことを前提にはしていません。場合によっては現状の業務の効率化に寄与せず、また数多あるAIサービスの契約増加と管理によっては、逆に効率が落ちることもあります。御社のデータが、AIから読める一つの場所にそろっていないからです。売上はレジの会社、予約は予約の会社、会計は会計の会社のサーバに別々に置かれ、AIに聞いても、あいだを写すのは結局人の手です。同じ数字を二度打つ「二重入力」を経験した事務系会社員は56.6%、原因の1位は「複数のシステムがあり連携されていない」23.7%(オロ、2026年5月)8。レジ・受注管理・会計は抜きません。予約台帳や会員管理のように御社の話だけでできているものは、下の物差しで置き換えるかどうかを見ます。見直すのは、道具と道具のあいだと、記録の置き場所です。
これを打破するには、システムの見直しではなく、
仕事が置かれる環境を根本的に見直す必要があります。
予約の会社は予約に詳しく、レジの会社はレジに詳しく、会計の会社は会計に詳しい。どれも、よくできた道具です。ただ、別々の会社が作っています。だから、あいだは必ず空きます。
仕様が悪いのではなく、別の会社である以上そうなる、という話です。そして空いたところに、毎月、人の手が入ります。下では3つの業種で見ますが、倉庫も店舗も持っていない会社にも、毎朝の数字と、請求の突き合わせと、人の出入りはあります。
在庫は持っているのに、売れる状態になっていません。
飲食店の一例では、レジの周りに足したアプリと掲載料で月に約86,000円。決済手数料の約97,000円は、これとは別に出ています。
注文書と納品書。納品書と請求書。請求と入金。営業事務の午前中が、ここに消えます。
| いま起きていること | |
|---|---|
| モールに出る数 | 3つの倉庫に5個・4個・3個あっても、モールには12個ではなく5個しか出ません |
| なぜそうなるか | 受注管理の側が「いちばん多い倉庫の数」を送る決まりだからです。売り越しを防ぐための、正しい設計です |
| 1注文が2倉庫に またがると | 伝票を人が分けて、倉庫ごとに納品書を出し分けます。公式のマニュアルにも、人の作業として書かれています |
| 送り状を戻すとき | モールは1つの注文につき1つしか受け付けません。2か所から送ったことを伝える道がありません |
| 倉庫を1社増やすと | CSVの形も締め時間も違うので、変換して送る往復が1本増えます |
いずれも、当社が確認した範囲では、各社の公式仕様・公式マニュアルに書かれていることです。不具合ではなく、そういう設計だという話です。だから、どの製品にお乗り換えになっても消えません。
ですので、いま使っている受注管理や倉庫の仕組みは抜きません。抜けば、毎年仕様が変わるモール連携をこちらで背負うことになり、当社が「作りません」と申し上げている領域に自分から入ることになります。
| 中身 | 月あたり | |
|---|---|---|
| 決済手数料 | 月商400万円・キャッシュレス7割で決済額300万円。3.24%。年1千万円を超えると割引の対象から外れます | 約97,000円 |
| 固定で出るもの | ハンディ13,200/シフト3,300/予約5,500/食べログ42,000/ぐるなび20,250/会計1,980 | 約86,000円 |
| 無人の施設なら | 会員管理35,000/決済連携5,000/解錠18,000/無線15,000/経営パック8,000 | 約81,000円 |
| ここに決済手数料が別に乗ります。金額は月商とキャッシュレス比率で変わります | 別途 |
2026年8月時点の各社の公表価格から組んだ一例です。レジ本体(Airレジ)は月0円、シフトも10人で月3,300円。出ていっているのは、その周りに足したものの合計です。前提(月商・キャッシュレス比率・出店媒体)が変われば金額も変わります。御社の請求書を数枚お持ちいただければ、御社の場合はいくらになるかを、一緒に見るところから始めます。
育つほど率が上がるのは、これが固定費ではなく変動費だからです。売上が伸びれば絶対額が増え、一定を超えると率まで上がります。
| いま起きていること | |
|---|---|
| 注文の入り方 | 紙、FAX、メール、エクセル。取引先ごとに様式が違います |
| 標準の仕様書にも | 業界標準の公式ガイドラインが、ブラウザ型Web-EDIの正規の業務フローとして「表示・印刷 → 手書メモ → 再入力」を図に描いています |
| AIで読み取っても | 文字は読めます。ただ「白Tシャツ」が自社のどの商品コードなのか、「1ケース」が何枚なのかは、読み取りの外です。そこで人に戻ります |
| 突き合わせ | 発注書と納品書。納品書と請求書。請求と入金。三回あります |
| 相手が乗り換えないと | 受発注システムの提供元自身が「取引先によってはFAXやEDIから受発注システムに置き換えることが難しいケースがあり」と書いています |
| 結果 | 営業事務の午前中いっぱいと、本来やるべき営業の時間が、ここに消えています |
取引先に紙をやめていただく必要はありません。先方の形はそのままで構いません。こちら側だけで受けられるようにします。相手を変えさせる提案は、たいてい進まないからです。
いちばん確かな証拠は、受発注システムの会社が、人力の代行サービスを別の事業として売っていることです。受注データの入力、発注・出荷指示、商品データの登録代行。システムで消せると考えているなら、その事業は要りません。
出典:流通システム標準普及推進協議会「流通BMSにおけるWeb-EDIガイドライン」第1.0版(2012年3月)/CO-NECT株式会社 プレスリリース(2024年12月2日)および同社公式サイト/株式会社ユニリタ 公式サイト。いずれも各社・各団体の公表資料です。
いくら下がるんでしょう?先に、線を引きます。
いまお使いのサービスをやめられるかどうかは、この一つの物差しで見当がつきます。中身が御社の話(御社のデータと、御社のルール)だけでできているものは、御社のサーバ(区画整理された土地)に置けます。世の中の話(法律・大手の仕様・機械)を含むものは、それを追いかける係が要るので、既製品に任せます。
| 扱い | たとえば | なぜ |
|---|---|---|
| 丸ごと置き換え | 社内チャット(Chatwork・Slack)/メモ・wiki(Notion)/コミュニティ(BAND)/予約台帳/会員管理 | 中身が御社の話だけ。有料のもの(チャット・メモ)は1人あたり月額が消え、無料のもの(コミュニティ等)は名簿と記録が自社に戻ります。ただし取引先との連絡に使っているものはやめられません。相手の場所は変えられないので、写しを自社側に集める形になります |
| 本体は残して、周りを吸収 | レジ(Airレジ)/受注管理(ネクストエンジン・GoQなど)/サイトコントローラー(宿泊のOTA接続) | レジ本体は月0円で、やめても下がりません。レシートと税は世の中の話。受注管理はモール連携が毎年変わる世の中の話。周りに足した有料アプリと、あいだの手作業のほうを引き受けます |
| つなぐだけ | 決済(Square・Stripe)/EC(Shopify)/メール/カレンダー | 作りません。既存のものに接続します。決済手数料は1円も下がりません |
| 作りません | 会計・給与・勤怠・年末調整・社会保険 | 法律が毎年変わる領域です。既製品をお使いください |

店舗・施設の場合、もうひとつ。
ゴルフ2施設とサウナ4施設に、同じ方が来ています。ですが既製品は、それを一人と数えません。1店舗ごとの料金で、店をまたぐようには作られていないからです。業態が違えば、システムごと別になります。
会員管理の既製品はあります。無かったのは、業態の違う店をまたいで同じ人を一人と数えるものです。探しましたが、見つかりませんでした。
まずは、いま一番手間のかかっている紙を数枚お持ちください。どこに何時間かかっているかを、一緒に見るところから始めます。初回のお打ち合わせと洗い出しは、無償です。
メールには、会社名と、いま一番手間な作業を一行だけ。それで結構です。
株式会社田中大介 代表取締役 伊丹谷 大介
mail@tanakadaisuke.com